2017モロッコの旅 ー後編ー

ハシィルビットのハサン宅にベルベル人ガイドさんが車で迎えにきてくれました。

岩石の採掘場などに立ち寄りながら、荒野を走る事2時間程…

ブラックデザートにあるベルベル人ご一家のお家に到着。

土壁のベルベルハウスの横には、遊牧用の大きなテントと、ロバやニワトリ、ラクダの小屋がっっっ!!

砂丘に囲まれた昨日の砂漠とは打って変わって、回りに遮るものがなにもない!!!

ベルベルハウス、土壁で、日本の昔の家屋みたい。夏は涼しく、冬はあたたかいのだそう。このお家に、おじぃちゃん、お父さん、お母さん、小さなお子さん3人のご一家が暮らしていらっしゃいました。

一家に一代の特製パン釜も、すごくいい感じ!!!毎日ここで、ママが自家製のパンを焼きます。

テントとお家、どちらに泊まりたい?テントは寒いよ〜、とご一家のお言葉をガイドさんが英語で教えてくれます。

もちろん、テントでお願いします!!!

ガイドさん、さっそくミントティーを入れて下さいます。

床に敷いてあるのは、お母さんが織ったラグ。ベルベル人に根付く、古着を裂いて織り込んだタイプです。

テントはざっくり織られた極厚地の布で出来ていて、あたたかく、快適です。

素材はなんだろうと気になっていたら、管に巻かれた糸が置いてある〜〜〜!!!

ガイドさんに聞いてもらったところ、ラクダとヤギの毛を紡いだ糸なのだそうです。ものすごいハリで、すごく丈夫に出来てる!!

おじいちゃんにお願いしてみたら、少しだけ分けて下さいました!!

ガイドさんとお話ししたり、子供たちと遊んだりしていると、目の前には見た事もないような夕焼けが…

おじいちゃんは、夕日に向かってお祈りを捧げています。

なんとも神秘的で素敵な時間が流れていきました。

 

夕食には、お母さんが作ってくれたタジンを頂きます。すごくおいしいっっ!!

モロッコでは、タジン鍋に必ず、固めに焼かれたパンがくっついてきます。ママ達が焼いているので、どこのパンも味に結構な違いがあって面白いです。

そして不思議と、タジンによく合うのです!!

その夜テントで眠りについた私は、4時頃に起きて、星を見ようと外に出ました。

そこには、満点の星に埋めつくされた、見渡す限りに広がる星空がありました。

本当に信じられないくらい美しくて、ガイドさんが、世界のどんな場所より砂漠が一番だと言っていた理由がわかりました。

砂漠のパワーと見た事ない大きな空のスケールに、自分が小さくなったような感覚に陥り、足下がふわふわ宙に浮いているみたいでした。

 

それからまた少し眠り、早朝、リアルなニワトリの鳴き声で目を覚まします。

外に出てみると、今度は、すばらしい朝日に遭遇しました。

朝日とラクダさん。なんとも素敵な組み合わせです。

朝ご飯に、小麦粉を小さく丸めて煮た、おかゆのようなお料理を頂いて、ママの織り機を見せて頂きました。今はたたんでいるけど、こちらもお手製みたい。

寂しいけど、お別れの時間がきました。

自然体でいつつも、たくさんご親切にして下さったベルベル人ご一家のみなさんとガイドさんに感謝です。

再びハサンのお家に帰って、お風呂とお昼ご飯を頂き、19時ハシィルビット発フェズ行きの夜行バスに乗りました。

ハサンやサラちゃんとお別れするときは、すごく寂しかった。また会えると良いなあ。二人とも、本当にありがとう。

フェズまで12時間、のはずが、なぜか2時間も早くフェズに到着!!とにかく寒い、、、唯一あいていたエキナカのカフェで、暖をとります。

到着から3時間後、再びバスに乗り継ぎ、青い街、シャウエンを目指します。

 

到着!!!あおいーーーーー!!!!

実はこの写真は早朝に撮影したもので、

お昼間は、お土産物と観光客でなかなかごった返していて、青さは半減だったりしましたが…笑

絨毯や壁面塗料や、織り布で出来たジュラバ(フード付きのロングワンピースのような民族衣装)など、きれいで特色あるお土産物が並ぶので、お昼に歩いていてもすごく楽しいです。

そんななかで、あったーーーー!!!!織物工房!!!!!

絨毯屋さんの一角で、糸を紡いだり、機を織ったり、、、織り機の構造も、日本の物よりもずっとシンプルでした。

モロッコでは、羊をはじめとした獣毛、綿の他に、リュウゼツランやウチワサボテンから採れる繊維で糸を紡ぎます。

その糸が織物にも、名産品のタッセルを作るのにも使われます。

どこから採ってくるのかと思っていたら、その辺にたくさん生えてるーーーーー!!!!!!

リヤド(モロッコの伝統的な建築の宿)もおしゃれでかわいい!

山の上から、シャウエンの街を一望してお別れを告げたら、今回の旅の最後の街、フェズに戻ります。

再び5時間程バスに揺られ、フェズに戻ってきました。

あたりはすっかり暗くなっていたので、この日はまっすぐリヤドへ。

 

翌朝、いよいよフェズの街を探検です!!

マラケシュとは比べ物にならないくらい、入り組んだ路地!!迷うーーーーー!!!

革や布を染める、タンネリ工場を見学。

チップを払うと、なぜかミントの葉っぱをひとふさ渡してくれました。なんだろう…

くさーーーーーーーー!!!!!何とも言えないにおいがーーーーーーー!!!!!ミントこれかぁ!!!!

だけど、すごい!!!巨大な染料釜に、人が入り込んだりして、染め物をしてる様子は圧巻です!!!

あのすばらしい革製品は、彼らのめざましい努力によっていたんだなぁ。

その夜は、リヤドの主人ソフィ(日本のアニメが好きで、ちょっと日本語も話せるおちゃめな男性)のおすすめのタジン屋さんへ出かけ、素晴らしき晩餐と引き換えに、おなかが破裂する思いをしました。いやー、美味しかったなぁ。

 

翌朝早くフェズを出発し、なんとか無事に飛行機に乗り、またしても18時間かけて日本に帰国しました。

タジン、おいしかったなぁ。帰国してからも、ハサンのママから受け継いだタジン鍋とモロッコのスパイスで、ときどきタジンにトライしてます。

フェスで出会ったフェズブルーのお皿も、大活躍中です。

そして、我が家にベルベルスタイルの絨毯がやってきました。

ありがとう。モロッコ。

モロッコで出会った、心優しいみなさま。

そして、長文、乱文にも関わらず読んで下さったあなた様、本当にありがとうございました。

モロッコでの出来事に想いをはせ、また織機に向かいます!!

2018/1 鬼原美希